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linux関連の備忘録です

Arch系linuxの日本語入力について


RebornOSをインストールした後、久々に日本語入力環境を整えようとしたら、けっこう手間取ったので、備忘録として残しておきたい。

特に設定ファイルの書き方と置き場所で迷わないようにしたい。

 

インプットメソッドはフレームワークとアドオンに分けると理解しやすいと思う。

フレームワークとしては fcitx5 や ibus が有名だ。

そして日本語入力用のアドオンはとしては mozc をはじめ anthy kkc skk などがある。どれも2023年現在 archlinux の正規リポジトリで更新されているようだ。

 

フレームワークのインストール

fcitx5 をフレームワークとして使用するには、パッケージグループ fcitx5-im をインストールする。

          # pacman -S fcitx5-im

fcitx5-im には fcitx5 fcitx5-configtool fcitx5-gtk fctx5-qt の4パッケージが含まれる。

ibusを選ぶ場合は、ibusをインストールする。同時にlibibusもインストールされる。

設定ツールはこれらの中に含まれているらしい。qtアプリケーションを動かすためにはibus-qt [AUR]を別途インストールするらしい。

          # pacman -S ibus

 

環境変数の設定

インプットメソッドを起動するためには環境変数の設定が必要だけれど、その設定ファイルの置き場所と書き方はひとつではないようだ。

自分なりに考えた結果、一番妥当なのはやはり /etc/environment に記述するのがいいと思う。

その理由は、XorgとWaylandの両方対応しているらしいこと。

それに1台のパソコンに2つのフレームワークを入れるとシステムが不安定になりそうで気持ちが悪いし、家族で同じパソコンを使う場合に、それぞれのホームディレクトリに設定ファイルを作るのも面倒。ならば /etc/environment にひとつだけ書いておこうというわけだ。

人によっては mozc が好きとか、kkc が好きとかはあるだろうけれど、それなら両方インストールして切替えて使えばいいだけのことだろう。

 

cinnamonのデフォルトエディタ xed で /etc/environment を編集する場合は、

       # xed /etc/environment

として、以下の内容を追記(コピペ)する。

                    GTK_IM_MODULE=fcitx
                    QT_IM_MODULE=fcitx
                    XMODIFIERS=@im=fcitx

ibusを使う場合は、変数の値を変更するだけ。

                    GTK_IM_MODULE=ibus
                    QT_IM_MODULE=ibus
                    XMODIFIERS=@im=ibus

ただし /etc/environment は環境変数を設定する専用ファイルなので、アプリを自動起動させることはできないらしい。

 

アドオンのインストール

アドオンとしてmozc を使用するなら fcitx5-mozc をインストールする。

          # pacman -S fcitx5-mozc

アドオンは複数インストールして切替えて使うこともできるので、試しに有名なアドオンをすべてインストールしてみるなら

          # pacman -S fcitx5-mozc fcitx5-anthy fcitx5-kkc fcitx5-skk

ibus用のアドオンとしては、ibus-anthy ibus-kkc ibus-skk がある。ibus-mozcはAURにある。

                 # pacman -S ibus-anthy ibus-kkc ibus-skk

 

好みのフレームワークとアドオンをインストールした後、一旦ログアウトして、再度ログインするとインプットメソッドが自動起動するはず。

自動的に起動しない場合は、自動起動するアプリとして登録する必要があるかもしれない。あるいは、設定ファイルに記述して自動起動させる方法もあるらしい。

cinnamonでfcitx5を起動させる場合は「設定」→「自動開始させるアプリ」で fcitx5 を登録しておけば確実に起動するだろう。

 

fcitx5の設定

最後にfcitx5の設定を行う。

図1のようにインプットメソッドのアイコンを右クリック→設定と進むと、 fcitx5の設定画面が開く(図2)。

図1

図2の右に表示されている Anthy Mozc SKK かな漢字 を矢印ボタン操作で左に移動させて適用ボタンを押す。

もしも目的のアドオンが見つからない場合は、「入力メソッドの検索」で見つかるかもしれない。今回はmozc がリストになくて焦った。

上下矢印ボタンでアドオンの優先順位を変更できるが、設定画面下方の注意事項のように「キーボード-日本語」を一番上に置く。

図2

OKボタンを押して設定を閉じてから、再度インプットメソッドのアイコンを右クリックすると、図3のようにアドオンの登録が完了したことがわかる。

こうしてアドオンをショートカットキーで切替えられるようになる。

図3


図4のように、ショートカットキーは設定画面のグローバルオプションで変更することができる。

デフォルトでは「Ctrl+スペース」で循環切替え、「全角/半角」で「キーボード-日本語」と直近使用のアドオンとの交互切替えになっている。

つまりmozcを使用している場合は、「全角/半角」を押すたびに日本語/英語が切換わる標準仕様となるはず。

図4


以上、cinnamonデスクトップでの fcitx5 を中心とした日本語入力の設定でした。